されど汝は踊らでやまず

Ich möchte schlafen, aber du mußt tanzen.

ヒメマルカツオブシムシと断捨離の決意

それはヒメマルカツオブシムシ

大人になっても2ミリほどの小さな虫です。小粋な矢絣模様の虫です。

 

しかしわたしはこの虫に出会って、

不倶戴天

怨憎会苦

という言葉を切に感じるようになりました。

そんな被害者の、生の声を綴ります。

 

ヒメマルカツオブシムシの恐ろしさ

彼らは、成虫(2ミリ)が洗濯物にくっついたりすることで知らないうちに侵入し、すくすく育った赤ちゃんが

カシミアの服や古書など大切なものを狙い撃ちにする、そんな虫です。

とにかく小さいので見えませんし、薬も物理的な攻撃も行き届かないので倒せません。

自分の見えないところで、また1つ宝物が食い荒らされているかもしれない。

その恐怖はかなりのものです。

しかもたちが悪いのは、恐怖が一年サイクルで持続(ないし増大)すること。

夏から秋の幼虫時代は食べ続けますし、春、成虫になったら卵を産みます。

ヒメマルママはお子をご飯を見つけやすいところに産み落として、自らは死地を求めるのだそうですよ。

つまり人間からすれば、虫から守るべき洋服を幼虫の巣にされるという最悪の恐怖がゴールで待っているのです。警察を襲うよう洗脳された人質みたいな感じですか。

実際のところさなぎになられたらもう敗北とみて良さそうですし、秋の幼虫(殺虫剤が効かないベテラン幼虫)との戦いが最後の防衛戦です。殺虫剤が効かないベテラン幼虫との。

しかし、わたしがこの虫の存在を知ったのも2017年の秋。すでに遅きに失したのでした。

 

わかってなかった秋の陣

気づいたきっかけは、黒い小さな虫が1匹壁にいたこと。ずいぶんおとなしい虫で、別になんの害もなさそうだったのですが見過ごしてしまいました。わたしは幼少期ナウシカの異名をとったくらいには虫に優しい人間です。

しかし数日後もう1匹みたとき、まじまじ観察して、これは異様だ、みたことのない虫だ、妙な怖さがあると思いました。

 

調べてみて正体を知り、大慌てで除虫菊スプレーを購入。

 


 

わたしはこれを買ってみました。うちにはうさぎがいますので、強い薬は使えません。

片っ端から布類に噴射しまくり、見つけた幼虫はガムテープぺたっとしたところ、結局被害にあったのは枕カバーだけ。スプレーの効果はたしかにあったようです。

気持ち悪さは残ったものの、まぁいいか、いるぶんはもう退治したし、スプレーがあるから服は無事だろうしとか思ってました。

 

絶望の始まり冬の陣

しかし、退治したはずのヒメマルカツオブシムシは、なぜかゼロにならない。

そんなにいっぱいいるわけではないのですが、よく探すと、どこかに1匹いる。

おかしい、この虫はおかしい。

本気出して調べたとき、成虫になられてはもう遅いと知りました。卵を生まれてしまっては、もうわたしの部屋はヒメマルカツオブシムシのらんらんちゃんランドと同然。

でも、さなぎは動きませんし、どこにいるのかもう全然、見た目さえわかりません。お手上げです。

秋、あんなに頑張ったのに、今も頑張ってるのに、1匹取り逃がすだけで全て無になるなんて、そんな理不尽がある?

わたしは激しい無力感と絶望感にしょっちゅう眠れなくなりました。

それでも頑張ったのです。

 

頑張ったのに、2月。

たった一晩のうちに、ANAYIのワンピースがかじられました。

庶民のわたしが、庶民の母に買ってもらったなけなしのワンピースが。セール価格でしたけど

着て帰ったその日の夜、ちょっと除虫菊スプレーを忘れただけでこうです。

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その日はもうまったく眠れず。

掃除をしないと…と思っても、第2のアナイが恐ろしいあまり、手がつけられない。

 

涙きらめく春の陣

それでもちょこちょこ掃除は続けて、部屋もまぁまぁ綺麗になったところに…突然現れた見慣れない縞模様。成虫さまのご誕生でした。

漏れていた奴がいたとは、驚き震えながら撲滅作戦を展開し、2月下旬、3匹を壁の隅で捕獲。

こんなにいたなんて恐ろしい、でもこれで最後だな、この時期だし窓際じゃないし、まだ卵は産んでないだろうな、大丈夫だ。

正常性バイアスの塊と化したわたしをよそに、3月初旬、今度は麻のスカートの上にたたずむ1匹が現れました。

さてはこのスカートを新生児のエサにしようと、卵を産む気か?産んだのか?

もちろんそんなことは許しません。卵を無に帰すべく、片っ端から近くにある服を洗濯。

ふう、危ないところでした。

 

しかし、現実は非情です。

4月初旬、ついにカーテンにくっついている1匹を発見。

産んだのか?産んだのか?産んだんだな。窓際にいるってことはもう使命を終えて死期を待っているわけだな。いいよ。お前が千五百産むならわたしは千だ。毎日千。

絶望とともに覚悟をかためるわたし。

だが死期の迫った虫はイザナミも恐れないらしい。

4月12日、悠然と床を歩く1匹に遭遇、いよいよわたくし部屋の主人の座を脅かされるに至り、

激怒して掃き掃除を展開、さらに2匹に遭遇。

4月13日4匹、4月14日1匹、4月15日8匹退治。

幼虫は壁にいたのですが、こいつらことごとく床を歩いていました。

 

もうこれは、どう考えたって昨年春わたしの部屋に親虫が入り込み、らんらんちゃん一族の根城を築き上げたのだと。正常性バイアスの砦に逃げ込み、後手に回り続けたわたしが勝てる相手ではないのだと。

認めざるを得ませんでした。

 

どうして言葉が通じないんだ

でもね、わたしはANAYIのワンピースを返してほしい。それだけなんです。

わたしはね、枕カバー1つにここまでは怒りませんよ。

元来虫好きだと言ったでしょう、ねえ、君たちがご飯をほしいっていうならわたしは君たちが食べたって構わないものを喜んで差し上げますよ。

埃とか食べてくれる分にはむしろ嬉しいくらいです。やろうと思えば共存できるかもしれないのに。

どうしてわざわざ大切にしてる服から食べていくの?どんなに宝物だったか。ねえ、君たちにわかるかい?

 

きっと、言葉が通じればこんな戦いはせずにすんだのです。

わたしだって何匹も何匹もセロテープ貼り付けの刑をしたかったわけではない。見た目も愛らしいし、食べるものがないならごはんをあげたいと思うくらいですよ、それがわたしの宝物でないならば。向こうだってリスクは冒したくないでしょうに。言葉が通じさえすれば、わたしとかわいいおしゃれミニ虫さんたちは共存共栄できました。

どうして虫と人間で話すことができないのでしょうね?犬や猫やうさぎとはある程度コミュニケーションが取れるのに。どうして虫だったらダメなんです?

もうね、やですこの世が。神通力をくれ。みんな何をしなくても心が通いあう、互いにとって真によいことをできる国に行きたい。つまり浄土に行きたい。往生要集に浄土に行けばオールオッケーって書いてあった。

 

そして断捨離へ

こうしてわたしはもう、これ以上逃げられなくなりました。

ここでまた手をこまねいていれば、ママヒメマルたちが生んだ無数のベイビー達が、わたしの洋服をアートに変えてしまうでしょう。

  • 固形の家具は徹底的に拭き掃除。
  • 衣類はすべてアイロンかけ。
  • 上2つを持続可能なものにするため、物を減らす。

これしかないと思います。

 

今後は、ヒメマルカツオブシムシとの戦いと、断捨離の模様と、そしてアナイのワンピース復活のためのあれこれを、

順次書き残していきたいと思います。